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AcrossVT Developer 導入事例 : 国立大学法人 長岡技術科学大学 様

組込み開発PBL にAcrossVT Education を採用
eラーニングで地理的・時間的な制約を克服

1976 年に開学した長岡技術科学大学は、活力(Vitality)、独創力(Originality)、世のための奉仕(Services)を重んじるVOS の精神に基づき、実践的で創造的、かつ国際的な指導的技術者や研究者を養成する教育を展開。企業で実習を行う「実務訓練」などを重視した、新しい教育体制を確立している。その一環として、研究プロジェクトである「組込みシステムのプロジェクト指向学習に向けたe ラーニング手法およびシステムの研究開発」を推進。下流工程のe ラーニング基盤として「AcrossVT Education」を採用したほか、教材の開発に「AcrossVT Developer」を活用している。

社会人の継続教育を推進する長岡技術科学大学

国立大学法人 長岡技術科学大学(長岡技術科学大学)は、日本に長岡と豊橋の2 校しかない技術科学大学のひとつ。高等専門学校の卒業者およびツイニングプログラム制度による外国人留学生を第3 学年に、専門高校、普通高校の卒業者等を第1 学年に受け入れる学部体系が特長となっている。
また、学部から大学院修士課程までの一貫した教育体制を確立し、高度で専門的かつ実践的、創造的な能力の開発を目的に、「実務訓練(インターンシップ)」などの取り組みを積極的に推進。社会のニーズに即応し、国際的にも活躍できる指導的技術者や研究者の養成を目指している。

上流工程から下流工程まで一貫したe ラーニングを展開

「組込みシステムのプロジェクト指向学習に向けたe ラーニング手法およびシステムの 研究開発」では、組込みシステム開発のプロジェクトベース学習(PBL:Project-Based Learning)において、受講者が時間的、地理的に集合できない場合や、受講者の知識にバ ラツキがある場合においても、効果的な学習を実現する、e ラーニングを用いた新たな教育手法および必要なシステム技術の研究開発を目指している。
研究の背景を湯川氏は、次のように語る。「上越から下越までの海岸線延長が約624 キロメートルある新潟県では、組込みプロジェクトのメンバーが一同に会することがなかなか難しいのが実情です。特に社会人によるPBL を実施する場合には、日常の職務もあることから、時間的な制約も考慮しなければなりません。そこでネットワークにつながっていれば、いつでも効率的に学習できるe ラーニングに注目しました」

e ラーニング教材の開発にAcrossVT Developer を採用

今回、この研究プロジェクトでは、電子温度計システムの開発を題材としてe ラーニング学習プログラムを構築している。この学習プログラムでは、ルネサス エレクトロニクス製のワンボードマイコン「M16C」にサーミスタを取り付けた電子温度計を開発するというシナリオとなる。
この学習プログラムの下流工程における最大のポイントは、AcrossVT Developer により開発されたM16C の仮想マイコンボードを使用していることだ。

効果的なe ラーニングに向けAcrossVT Educationに期待

AcrossVT Developer により構築された電子温度計システムを教材とした組込みシステム開発PBL のe ラーニングをAcrossVTEducation で実現したことで、地理的、時間的な制約のない組込みシステム開発の学習環境を実現している。ただ現状では、上流工程のe ラーニングシステムの導入、検証が終了したところであり、AcrossVT Education を使用した下流工程におけるe ラーニングの評価は今後の取り組みとなっている。
しかし、上流工程におけるe ラーニングと集合教育を組み合わせたPBL 実施後のアンケート調査および講師の評価では、上流工程用に開発したe ラーニングシステムはすべて有効に利用されており、今後実施を予定しているAcrossVT Education で構築された下流工程のe ラーニングにおいても上流工程と同様の効果が期待されている。

一貫した組込み教育を実施 最後のポストモルテムが重要

今後、長岡技術科学大学では、組込みシステム開発の上流工程から下流工程まで、一貫したPBL 教育を実施する計画だ。このPBL教育は、朝9 時から夕方5 時まで、5 日間程度の内容を、遠隔かつ非同期で実施するというプロジェクトであり、時間的な余裕が必要になる。そのため、3 週間で実施するカリキュラムになっている。
湯川氏は、「重要なのは、最後にポストモルテム(反省会)を実施することです。e ラーニングは終了時に満足度は高いのですが、1カ月後、2 カ月後には、忘れがちになります。そこで終了してすぐにAcrossVT Educationの受講履歴管理や学習進捗管理などの機能を利用して、良かった点、悪かった点などをチームで共有することで、次に生かせる、経験に基づく知識として記憶に残すことができます」と話している。